恋をしている人たちへ

 最近映画を見返そうとサブスクリプションを開き、目についたのが『花束みたいな恋をした』という作品であった。主演俳優は菅田将暉さん、有村架純さんのお二人で、題名の通り恋愛映画だった。

 

 大学二年生のころに偶然出会った人と趣味や考え方、価値観が合い、数回のデートを経てお付き合いすることになった。大学生らしく趣味に没頭しそこから将来への希望を持っていた二人だった。しかし大学4年生ごろから就職(就活)を考え始めだんだんと趣味や遊びの時間が減っていった。就活のため二人で話す機会も減り、心の余裕もなくなっていってしまう二人に親からの仕送りがなくなる出来事が起きた。この出来事から彼女と関わっていたいからと、挑戦より安定した収入を求める彼。一方で挑戦し続け収入が少ない彼女。仕事が忙しくなり彼女のことを見ることが出来なくなり、一緒にいたくて始めたはずの仕事が彼女との関係を悪化させていく事になってしまう。収入も違うので稼いであげているという思考に変わってしまった。

そこから付き合ってはいるけれどなんで付き合っているのかわからない状態が続き、彼女が別れを告げ、彼は結婚でつなごうとしますが撃沈。この経験を活かしお互い別の人と付き合うという結末で終わった。

 

 私は昨年のクリスマスに3年間お付き合いしていた恋人とわかれた。私の中で学業、登校、部活、バイトの両立で手いっぱいになってしまい彼女のことを考える余裕がなく、慣れてきたころには時すでに遅く別れを告げられてしまった。

今回見たこの映画と自分の経験がリンクしたことで私は名作だと感じたのかもしれない。

 

 この映画のタイトルに「花束」という言葉が書かれている。花束は初めはきれいで、大切にされるが手入れをしなければすぐに枯れてしまう。その枯れた姿をも愛すということが恋愛なのではないのかと感じた。

 

「大切な人ほどその人を知っているから雑に扱ってしまう」のではなく、失いたくないと思える人であるのならば丁寧に接するべきだと思う。今回の映画から学ぶものが多く私の名作として挙げるふさわしい作品である。